やっちまったら…カラマーゾフ
この前、とあるお店にいったら神さんという店員さんがいらっしゃり、
ああ、アリョーシャ、神様はいたんだよ…
と感慨深くなった梅吉です。
何も感慨深くない。
梅吉は今、少し風邪気味です。
いきなり雪が降りましたもんね。
めっちゃ冬の格好で歩いていたはずなんですけれど…。
薬を飲んで回復したいと思います。
それに、今日はなんと!
鍵が無くて家に入れない
という大失態も犯しました…_| ̄|○
家人が帰ってくるまで大変でした。
いやあ、やっちまった。
そんな無情な日々に響き渡る名作と言えば…
そう、、、
『カラマーゾフの兄弟』ですよね!!!!!
冒頭でアリョーシャについて触れましたが、この作品の主人公ですよね。
ていうか、、、
無情な日々って、
いや、単に鍵をチェックしていないお前が悪い、と言われたらそれまでなんですけども。
そういう見方もあるけども!汗
そんな、働いてもいないのに『蟹工船』読むな、みたいな目はやめてください。
強引に説明しちゃいますが、
この作品はご存知、露の文豪ドストエフスキー様に書かれたもので、んんまあ大変重い内容でそれなりに長く、その分かなり面白いという本です。
…ざっくりしすぎました。
もう少し語ります。
舞台は19世紀ロシア。
強欲で色欲の強い成り上がりのカラマーゾフには、三人の息子がいた。
まっすぐで情熱的な長男のドミートリー、インテリで無神論者?の次男イワン、温厚で神の存在を信じているアレクセイ(アリョーシャ)。
あ。
言い忘れましたが、、、
ロシア文学はまず名前が面倒!!
どういうことかっちゅーと、ほとんどの人は名前が長すぎるが故に、通称というか、あだ名みたいなものを持っているんですよ。
だったら最初からその名前で呼べよ、とも思わなくもないですが(笑)
何れにせよロシア文学を読むためには1人で二つ分の名前を暗記しなければならないことになるので、かなり面倒です。
まあ、だいたいは本名と似たあだ名がつくんですが、いかんせんわかりづらいこともあって。
ドミートリーはミーチャとかさ。
エカテリーナはカチューシャとかね。
知らんし。みたいな。
日本にいたらわかりづらい感覚ですねえ。
でもまあ、他の国の人が我が国のコミックスを読む際に、漢字の当て字に苦労しているとは思いますので、五分五分ということで。
ででですね、
その三人の兄弟は、考え方の違いなどから(まあ父親がアレだしね)別々に暮らしていたのですが、
(末っ子のアリョーシャは20歳だし、そんな驚くことではないのかもですが)
なんとかアリョーシャたちの努力のかいあって、三人で会うことになります。
しかし、問題は山積み。
いくらクズとは言えども、成り上がりのカラマーゾフにはそれなりの財産がある。
その相続でまず揉める。
ついでに、神がいるのかどうとかで、また盛りがあったり。
カラマーゾフ家はかなり大変です。
しかし突然、そのカラマーゾフは殺され、息子(長男ドミートリー)に嫌疑がかけられるが…???!!!!
………
…というのは、かなりポップな紹介の仕方ですね。はい。
なんていうか、、、読んだら、
もっとドロドロしてる!
ドロドロっていうか、ズーン、、、って感じですね。
もうね、一つ一つが、重い。
うーん、さすがロシア文学!って感じ。
この重さが良いんですよねえ。
なんかね、生きてる!!って感じ。
具体的にどういうことかっちゅーと、、、
神様の存在とか、恋愛観だとか、幸せの定義とか、そういうのって、10人いれば10通り考えがありますよね。
で、三兄弟は、ほんとうにてんでばらばらな価値観を持っている。
さらに言うと父のカラマーゾフも、また違う価値観を持っている。
似た考え方の人っていると思うんですが、この三兄弟はほんとうにバラバラな考え方をしているんです。
そしてそれを、ドストエフスキーは余すところ無く書き尽くしているんです。
徹底的、と言っても良いと思います。
ある意味で、わかりやすく洗練された哲学者みたいに、各人の価値観を緻密に書き上げているのです。
そこに足りない文章は無いです。
偏見ですけど、こういうのって、なかなかロシアみたいなところの人じゃないと書ききれないもんなんじゃないですかね。
リービ英雄さんが
アメリカ西海岸の人に、日本人が四季の美しさを語った短歌を教えたところで、何も本質的にはわかってくれない…_| ̄|○
みたいなことを書いてたんですが、
んーちょっとわかるかも。
やっぱり、寒さを耐え忍ぶ必要性のある民族は、それなりに物事を奥深く耐え忍んで書くことができるのでは無いでしょうか。
以前、本州の人が
北海道にきて初めてロシア文学の良さを知った
みたいなことを言ってて、非常に驚きました。
そんなことあるんですねえ。
やっぱり北海道は良いなあ。
とはいえ、四季の無い国(よく考えればそういう国多いですよね)の人に、四季の良さを教えたって、やはり経験しないことにはわかりえない部分もあるでしょうし…。
この例えは少しズレているのかな。
仮説2。
ロシアの人たちは寒い冬にいろいろとまとまって物事を考えるから、こんなにすごい考察ができるのでしょうかね。
なんかそんなことを、春樹の小説で書いていたような気がします。
とにかく、
繰り返しますが、ドストエフスキーはあらゆる価値観に対する考察がものっっっすごいです。
神を信じていたものは、その根底を覆されるだろうし、
信じていないものは信じていないもので、その自分の思い上がりのようなものに気づく。
なんていうか、
どんな立場の人が読んでも発見がある小説だと思います。
その分、ほんとうに苦しいエピソードもありますが…。
だから、、、、
精神的に元気なときに読んだ方が良いと思います(笑)
辛いエピソードも割とありますしね。
でも、もちろん恋愛要素とかもあるので、そちらもすっっごく楽しいですよ。
最高傑作にしては例外的に、クズな女しかいませんが(笑)
すごいですよね。ドストエフスキーっぽい。
ふつう、最高傑作と言われる作品にはだいたい可愛くて性格も良いヒロインがいて、女の子も感情移入できる創りになっていたりするものなんですが、
(『戦争と平和』ならナターシャみたいな)
この作品には、見た目は良いけど性格は、んーむむむむ…って感じの女しか出てこない(笑)
まあ、外見が魅力的なので、そこは文学っぽいのかな…。うーん!わからん!
以前、文学部の人に
『カラマーゾフ』ってヒロインいるの?
って聞いたら、
しょうもないやつしかおらん
って言ってたので、多分この認識は間違ってはいないのでしょう!多分!
グルーシェンカの立場。
とはいえ、これは繰り返しますが、人生で一読する価値のある本です。
あらゆる価値観が取り払われるような本だと思います。
私も実は、知識がうろ覚えになっているところがあるので、そのうちまた読み返そうと思います。
よかったら読んでみて下さいね。
私はとりあえず風邪を治します!(;^_^A
皆さんも、体調管理にはお気をつけて。
ではまた、明日も花マルで〜^ ^