ウイルスの権利を唱えてみる
みなさんこんにちは。
突然ですけども、僕は今日微生物について、特にウイルスについて考えていました。
ウイルス構造一例
仕事の都合で、たまにそういうことを考えます(だいたいは必要に迫られてですね)。
そこで、病原体とか感染症について学んだ(考えた)のですが、
その本によれば動物への感染経路を断つ方法は三つある
とのことでした。
一つは、、、ダイレクト。
感染源を殺す。
…ダイレクトすぎ!!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
しかし、病原体そのものを撲滅させるなんて至難の技。
考えれば分かりますよね。
個々の個体ではなく、その生物(種)を撲滅させるんですから、かーなーりーお金もかかるし、
だいたい撲滅しようと対策をとっても一匹くらい死ななかったりするので
(不思議なことに、あらゆるものへの抵抗性の違いって、ものすごい価値があるんですよね。種レベルではなく、個体レベルの差異の話ですが)
これは現実的とはとても言い難い対策ですよね。
二つ目は、、、
感染経路を断つ!
これは割と現実的ですよね。
インフルエンザにならないためにマスクしたりとかしますもんね。
汚い水や食べ物に触らない、野良犬やキツネに近寄らない、とかもそうです。
日本では狂犬病の疑いなんてまずないですが、海外に行ったら知識のない日本人は割と危なかったりします。
エキノコックスなんかも危ないので、キツネもそうですが、基本野生動物には近寄らない方がベターです。
野生動物と人間が共生するためには、やはりある程度の正しい距離ってあると思います、、、
が、その話は長くなるので今回は割愛します(笑)
三つ目は、、、
感受性個体の抵抗性を上げる!
文字にすると意味わからんかもしれませんが、
要するに病気になりにくい体にするっつーことです。
予防接種が典型ですね。
一度弱毒化(あるいは死滅)した病原体をあえて体に取り込むことで、体がその病原体に対する攻撃方法を覚えるのです。
私たちの体は、一度戦った相手には対策が立てやすくなってるのです。
あとは単純にちゃんと寝る、ちゃんと食べる、ちゃんと休む、、、
とかも大事なことだと思います。
これはむしろ感受性をこれ以上上げさせないって意味ですけどね。
まとめると、
感染症にならないためには、感染経路を断つか抵抗性を高める必要がある
っつーことです。
で、感染源を殺す!!
って方法は現実的ではない…
とはいいましたが、
実は世界で2例だけ成功した例があります。
逆に言うとそれだけしか成功しなかった、ってことなんですけども。
天然痘と牛痘です。
我々は、我々の種(あるいは哺乳類、あるいは脊椎動物とか)を守るために、ウイルスを撲滅させたのです。
個々(群?)のウイルスではなく、ウイルス全てを殺して、撲滅させたのです。
でもですね、、、
少し思うんです。
仕方のないことだし、種の保存というのは我々からみたら大切な概念ですからね。
それでも、、、、
ウイルスかわいそう!!!
(´・_・`)
いや、実際に天然痘にかかっている人とかみたら、そうは思えないとは思うんですよ。
絶対に。
撲滅して良かったなあって思います。
僕も人間ですからね。
でも、私がウイルスだったら、溜まったもんじゃないと思います。
良い奴もいるのに何も知らないでむかつく!
って思うかもしれません(笑)
いや、わからないんですけどね。
くそっ、あのウイルス最強の兵士、リヴァイウイルス兵がやられた…!!
もうだめだ…!!
とか思うかもしれません。
いや、わからんですけども(笑)
要するに同族意識なんだと思います。
我々はヒトだから、ヒトをまず第一に守りたい。
これは悪くないし当然の考えだと思います。
次に、哺乳類だから同じ哺乳類により親近感が沸くのも当然なわけで。
でもね、それ自体は悪くないんですよ。
親近感を抱くっていうのは。
ただね、ウイルスにもウイルスなりの事情があって、
私たちには私たちの事情がある。
たまたま私たちはヒトだったから、ヒトを脅かすウイルスを撲滅したんです。
ただそれだけのことです。
考えてみりゃ、生物なんて競争して来たわけなんですから、何を今更。
情けなんか無用なんです。
でないと、こちら側が不利になりますからね。
でもね、
僕はたまああに、
こんな夜に、
あるいは4月のこんな夜に、
ウイルスのことを考えるんです。
生きて子孫を残したいウイルスたちの戦いのことを。
でもね、ウイルスだって宿主(我々)の細胞に無断で侵入しているわけですからね。
まあどっこいどっこいでしょう。
僕はミルワーム(ミミズみたいな虫ですよ…)を土から出して、
それを鳥などに与えるという仕事をひたすら行ったことがあります。
ミルワームたちは普段土の下に隠れているんです。
光が嫌いなんです。
ていうか、潜らないとダメなんです。
理由はわからないども、とにかく潜る。
すぐさま僕は土をひっくり返す。
ミルワームたちは慌てて土に帰ろうとする。
でもそれを逃さない。
スピード勝負です。
潜る前に、ピンセットでつまんでしまう。
でもね、
それもある意味ではすごくすごくかわいそうでした。
その行為は僕にアウシュビッツを思い出させたんです。
かわいそうなアンネ。
せっかく隠れ家にいたのに、ミルワームっていう種だからという理由で検挙されて行くんです。
ね?
めちゃくちゃかわいそうでしょう?
僕は鳥とか魚に餌をやる時、
時々そのことを思い出すんです。
人々は僕のことを変わっていると言うし、君は優しい、とか言います。
でもそれは少し違います。
なんていうか、
もっと僕の、僕らの存在自身が、もっと不安定?なものなんだと思うだけなんです。
多分、こう言う風に考える人はあまりいないと思います。
でも少なくとも僕は
人間と同じくらいウイルスだって頑張ってるんじゃないか、、、
って思う時があるんです。
特にこんな夜は。
今日はがっっっっつり梅吉ワールドでしたね。
明日からおそらく、また普通の文章に戻ると思います。
戻る◀︎。
と見せかけての前進⏩。
最近は不思議な文章ばかりでしたが、またテンションの高いくだらない記事を書いて行きたいと思います。
それではまた、明日も花マルで〜!
失くなったウイルスに、乾杯。
※この記事は『医科ウイルス学』南江堂 高田賢藏 (2012年発行 改定第3版)
を参考にしました。