阿部梅吉の日記

梅好きの梅好きによる梅好きのための徒然な日々

本欲、再熱 。【その女アレックス】

僕は今軽く憂鬱になっている。

理由はわからない。
疲れているだけなのかもしれない。
何かひどく落ち込むし、意味もなく難しい本が読みたくなる。
何もしたくなくなるし、かといってそれで何もしないとほんとうに虚しくなる。
だから何かに没頭して忘れる。

それの繰り返し、、、、。


まあ、風邪だろう。

それか、最近は胃腸の薬を飲んでいないからだろう

この線はかなり濃厚だ。
というのも、僕は全くの良い加減な薬の飲み方をしており、抗生物質とかでもない限り、漢方を処方されても最期まで飲み続けられないのだ。理由は単純に不味くて面倒くさいからである。
だからまたすぐに胃腸を壊す。
そして胃腸が悪くなると薬をありがたがって飲み出す。
何時もの繰り返しだ。
コンプライアンスもへったくれもないのだ。


体調が悪い時は決まって何もしたくなくなる。

これが僕の風邪の最初の兆候だ。

全ての物事が面倒臭くなる。
無気力になる。
子供の頃のことをとめどなく思い出す(これは割に辛かったりする)。
頭の上に重りが乗ってるように感じる。
人に話しかけられたり、話しかけるのが怖くなる。
片付けなどが全くできなくなる。


これは、、、特にしたの二つが、、、

ほんとうに辛い。


少し何か言われただけで、大げさに、または責められているように感じてしまうのだ。

そして、いきなり話しかけられても対応できなくなる。

突然のことに対する反応が鈍くなるのだ。

これはほんとうに、、、

皆さんが思っているよりも辛い。


よく、かなり力を入れて走ろうとしているのに身体が前に行かないで全然進まないという夢があるが、
まさにそんな感じである。


あと、仕事がひと段落していないから、僕は休みたくても休めない。

心がまったく落ち着かないのだ。

なんて厄介なんだろう…。



憂鬱になると僕はとても本が読みたくなる。
カズオイシグロの小説とか。
どうしてだろう?


そう言えば、、、

アメトー○クで『読書芸人』っていう企画をやっていてそれに触発された面もある。

とてもとても面白い内容だったし、芸人たちの個性も出てて良かったと思う。

芸人さんが紹介してくれる本の中に、僕の好きな本もあった。

ただ、最近の日本人作家さんの作品ばかり紹介してて、、、

僕は海外作品、古典、ミステリー、時代小説、ラノベ、、などなどいろんなジャンルももっとフューチャーしてくれたらなあ、、、
と少し思っちゃったり。

確かに芸人さんたち、それぞれ紹介する本に個性はあるものの、それも狭い分類の中だけで、、、

界とか科とか属とかを股がずに種レベルで差異があるって感じね。
ネコとイヌとサルで盛り上がってるけど、いやいや全部脊椎動物の中の哺乳類やないかい!!!みたいな感じです。

あ、わかりづらいかな。まあいいや。

とにかく、

もう少し毛色の違う人が来てくれても良かったのかなあ〜…と思ってしまいました。

まあ、それでは岩波とか以外の日本の出版社さんが泣いてしまうのかしら??

そうに違い無いよねえ。

本は今大変だもんなあ、、、、。


(北海道の本屋はどんどんなくなっている。

札幌駅一階にあった光栄堂も、くすみ書店も…

僕にできることは本を買うことだけだ。


ぽろ。)




でも評論やエッセイでも良いものはかなり良いし、、、、

やっぱりもう少し毛色の違う芸人さん同士で話しても良かったのでは、、と。

若干ざんねん!
(まあ、いろいろな事情があるのだろう)

僕はラノベの類とか時代小説はまったく読まないけれど、そういうのの魅力を語ってくれたら、もしかしたら一冊くらい手に取ってたかもだしね。

かも、だけど。

あくまで【かも】。





先日、ヤマダ電機に行った。
6月まで使える無料券を使うためだ。

ヤマダ電機にはちょっとした本が置いてある。

僕はそこで迷いに迷って(無料券も使える限度があるのだ)、話題のミステリーを文庫で買った。

その女アレックス』。

f:id:AbeUmekichi:20150622201325j:plain表紙こわい…


ピエール•ルメートルの作品で、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」を含む史上初の6冠を達成している作品。

迷った時、僕は賞のとった本を読む。

おそらくそれは万人受けする為に読みやすく、内容もそれでいてしっかりしていることが多い。

少なくとも「ハズレ」ることはない。

何かしら学ぶべきところがある。

と、おもう。


そんで、、、内容は、、、



久々にめちゃくちゃ面白かった。


まごうことなき徹夜本。

だいたいミステリーは続きが気になって気になって仕方ないから一気読みするけれど、
今回のはまさにそれ。

どんでん返しがあり、それがうまい。

ちなみに、僕は初めからこうではないか?と推理していたことがあるのですが、、、それはまったくの見当違いでした。とほほ。

内容は、

とある看護職勤務のものすごく美人な女性がいきなり夜、ある男に誘拐される。

そして軟禁と拷問を受けるのだが、、、

という、割とショッキングな内容から始まります。

後半もショッキングなな部分が幾つかあるかもしれません。

(僕は映像化されるのなら見ないだろうなあ。怖いし。)


初めはただの女性誘拐事件だが、事件はある時を境にその様相をまったく別のものに変えてしまう…。


続きは読んでない人の為に言いませんが、

とにかくすごい!!!

もう、ね、本が皆さんを読ませます!!

読みやすい文体と(訳も綺麗です)読者を読ませる(引き込ませる)スピード感、続きが気になる情報の出し方。

そして何より、刑事さんたちや脇役も全員キャラが立っている!!!!!

僕は刑事さんたちが結構好きです。

途中はアレックスと刑事さんたちのシーンが交互に出て来てスピード感が増しますが、
刑事さんたちが出て来ると話に緩急が着くというか、どこかホッとするところもあって良いです。



良かったら読んで見てくださいね。


どうでもいいけど、作中に「どこのバス停だ?パスツール研だ!」みたいなセリフがあって、

おおおお!さすが、フランスううううう!!!

と少し感動時しました。

うん。感動するポイントおかしい。


まあそれは良いんですが…



そんなわけで僕は1日ですっかりその本を読み終え(おかげで睡眠時間はぐっと少なくなったが)、気づいたら憂鬱は消えていたのでした。


それではまた。

明日もはなまるで〜